GBT

GBT

目次

GBT ガイデッド・
バイオフィルム・セラピー

歯や歯ぐきに優しく、
痛みの少ない次世代の予防処置

「歯のクリーニングは痛い」というイメージを変えたい

歯科医院で定期クリーニングを受けたとき、「キーン」とした金属器具の感覚や、歯ぐきに器具が触れる痛みが苦手だと感じたことはありませんか?

エアフロー噴出イメージ写真

パウダーフローの噴射を用いる施術

実はその不快感の多くは、従来のクリーニング方法(器具で歯石を直接削り取るスケーリング)に起因しています。

これは決して避けられない痛みではなく、処置の方法によって大きく変えることができます。

GBTは、そのアプローチをまったく新しいかたちで実現した予防処置です

「クリーニングが怖くて足が遠のいていた」という方にこそ、ぜひ知っていただきたい方法です。

GBTによるバイオフィルム除去

GBT(Guided Biofilm Therapy)とは、スイスのEMS社が科学的エビデンスに基づき提唱する、「バイオフィルム除去」に特化した新しい予防処置です。世界中の数千以上の歯科医療機関が導入しており、ヨーロッパ歯周病学会(EFP)も推奨している、国際標準の予防歯科アプローチです。

「バイオフィルム」とは、口腔内の細菌が歯の表面に集まり、膜状に定着した細菌の集合体です。うがいや通常の歯磨きでは落としきれない粘着性があり、近年の研究では、虫歯・歯周病の直接的な原因はこのバイオフィルムであることが明らかになっています。

従来の予防処置は「歯石・着色の除去」を主目的としていました。しかしGBTは、その根本原因であるバイオフィルムに着目、染め出しで目に見える状態にしてから系統的に除去します。この処置の精度が上がることで、歯や歯ぐきへの不必要な接触を最小限に抑えることができます。

こんな方にお勧め
  • 歯の着色汚れを綺麗に落としたい方
  • 歯のクスミを取り除きたい方
  • お口の中を継続的にすっきりさせたい方
  • お口の中の環境を整えたい方
  • 詰め物や被せ物、インプラントなどが入っている方
  • 矯正治療中の方

虫歯・歯周病の原因バイオフィルム

口の中には、常時700種以上の細菌が存在しています。これらの細菌は単独で浮遊しているのではなく、歯の表面に付着してコロニー(集落)を形成し、バイオフィルムという膜をつくります。

染め出しで目に見える状態にしたバイオフィルム

バイオフィルムの中の細菌は、外部からの攻撃(唾液の自浄作用や抗菌成分)に対して非常に強い耐性を持っています。うがい薬や歯磨き粉だけでは除去することが難しく、専門家による定期的な処置が不可欠です。

放置されたバイオフィルムは石灰化して「歯石」になります。歯石になれば、除去がより困難になり、さらにバイオフィルムが付着しやすい環境をつくってしまいます。この悪循環を断ち切るのが、GBTによる定期メンテナンスです。

従来のクリーニングとGBTの違い

顕微鏡で処置後の歯面を比較すると、その差は一目瞭然です。GBTで処置した歯面は傷が少なく滑らかで、バイオフィルムが再付着しにくい状態が保たれます。

従来の
クリーニング
GBT
主な目的歯石・着色の除去バイオフィルムの系統的除去
アプローチ器具が歯面に直接接触染め出し後にエアフローで除去
歯・歯ぐきへの負担傷がつくリスクがある低侵襲・最小限の接触
痛み感じやすい場合がある大幅に軽減
治療時間歯石量によって長くなりやすい的確な処置で短縮しやすい
インプラント
への対応
傷つける可能性がある安全に対応可能
矯正中の場合器具が届きにくい矯正装置の周囲まで対応

処置に使用する専用機器

エアフロー プロフィラキシス マスター、機器の写真。

GBTにはEMS社が開発した専用機器「エアフロー プロフィラキシス マスター」を使用します。

粒子径わずか14μm(マイクロメートル)という超微細なエリスリトールパウダーと温水・空気を組み合わせ、歯面・歯周ポケット・矯正装置の隙間など、歯ブラシでは届かない部位まで確実にアプローチします。

バイオフィルムや軽い着色と、コーヒー・茶渋・タバコなどの頑固な着色に対し、2種類のパウダーを使い分け、患者さまのお口の状態に合わせた的確な処置をします。

Merit

GBT 5つのメリット

.歯・補綴物・インプラントを傷つけない

エアフロー(超微細パウダーと水・空気の組み合わせ)を主に使用するため、金属器具が歯面に直接接触する機会を大幅に減らせます。天然歯のエナメル質はもちろん、セラミックや金属の補綴物、インプラント周囲の繊細な組織にも安全に処置が行えます。

従来の超音波スケーラーでインプラントを傷つけてしまうことで生じていた耐用年数の問題も、GBTでは大きく軽減されます。

.バイオフィルムを視認できる

GBTでは、目に見えないバイオフィルムを『染め出し液』で鮮やかに可視化してから処置を行います。この際に、お口の汚れを具体的に確認いただくことは、患者さまご自身のセルフケアに対する意識向上にもつながります。

.痛みが少なく、治療時間も短縮

低侵襲なアプローチにより、従来のクリーニングで多くの方が感じていた「ジーン」「キーン」という痛みや不快感が大幅に軽減されます。処置が的確になることで、1回あたりの所要時間も短縮しやすくなり、お仕事帰りやお子さまの送迎の合間など、限られた時間でも受診しやすくなります。

歯周病の治療にも有効

健康な歯の予防処置だけではなく、歯肉炎・軽度から重度の歯周病治療にも活用できます。
4mmまでの浅い歯周ポケットから9mm程度の深いポケットまで、段階に応じた専用ノズルでアプローチが可能です。歯周病治療中の方も、治療と並行してGBTを受けることで、より効果的な改善が期待できます。

全身の健康管理にもつながる

近年の研究により、歯周病は糖尿病・心疾患・誤嚥性肺炎・早産など、全身の疾患と深く関連していることがわかっています。口腔内のバイオフィルムをコントロールすることは、お口の健康だけでなく、全身の健康を守ることにもつながります。特に糖尿病や循環器系疾患をお持ちの方、妊娠中の方には、定期的なGBTを強くお勧めしています。

Price list

料金案内

治療内容料金(税込)
GBT1回(自費)11,000円
保険適用でのクリーニング保険診療内で対応する場合もございます。
詳しくはご相談ください。

Treatment Flow

施術の流れ

口腔内の診査・診断
・リスク評価

洗口後、歯・歯ぐき・歯周組織の状態を確認します。
インプラントをお持ちの方はインプラント周囲組織も評価します。患者さまお一人おひとりのリスクに合わせた処置方針を立てるところからGBTは始まります。

バイオフィルムの染め出し

染め出し液を使って、通常は見えないバイオフィルムを色づけして可視化します。患者さまにも実際にご自分の口腔内を確認していただき、「どこに・どれだけ汚れがあるか」をご理解いただきます。染め出し液でバイオフィルムが着色されることで、歯石の位置も検出しやすくなります。

患者さまへの情報提供
・ブラッシング指導

現在のお口の状態、バイオフィルムが蓄積しやすい部位、歯周病のリスクについてわかりやすくご説明します。毎日のセルフケアの質を高めるためのブラッシング指導も行い、患者さまのお口に合った歯ブラシ・補助清掃器具をご提案します。

エアフロー
(歯肉縁上〜4mmまでの歯周ポケット)

歯ぐきの上の部分(歯肉縁上)および深さ4mmまでの歯周ポケット内のバイオフィルム・早期歯石・ステインをエアフローで除去します。天然歯・補綴物・インプラントのいずれにも対応します。

ペリオフロー
(4〜9mmの深い歯周ポケット)

専用の細いノズル「ペリオフロー」を使い、4〜9mmの深い歯周ポケット内に潜むバイオフィルムを除去します。インプラントをお持ちの方のインプラント周囲溝も同様に処置します。

残存歯石の除去

エアフロー・ペリオフローで取り切れなかった硬化した歯石を、スマートピエゾンとPSチップという器具を用いて丁寧に除去します。痛みの少ない低侵襲な設計で、効率的に歯石を取り除きます。

最終チェック・フッ素塗布

バイオフィルムや歯石の取り残しがないか最終確認を行います。問題がなければフッ素を塗布し、クリーニング直後の無垢な歯面を保護します。フッ素は虫歯菌の活動を抑制し、歯のミネラル補給にも有効です。

次回定期メンテナンスのご予約

GBTは定期的に継続することで最大の効果を発揮します。患者さまのリスクに応じた間隔(3か月・4か月・6か月など)でご来院をお勧めします。

定期的に続けることが大切

GBTは1回受ければ終わりではなく、定期的に継続することで口腔環境が安定し、虫歯・歯周病のリスクを着実に下げることができます。お口の状態やリスクに応じて、3〜6か月ごとのメンテナンスをご提案しています。

「通い続けられる歯医者」を目指す黒瀬歯科では、痛みや不快感が少ないGBTをご提供することで、患者さまが定期通院を習慣にしやすい環境を整えています。

Risks and Side effects

リスク・副作用

処置後の一時的な知覚過敏

エアフローによる処置後、歯の表面が一時的に清潔な状態になることで、冷たいものがしみるなどの知覚過敏症状が現れる場合があります。多くの場合数日以内に自然に落ち着きますが、症状が長引く場合はご相談ください。

歯ぐきの一時的な出血

歯周病や歯肉炎がある状態では、処置中・処置後に歯ぐきから出血する場合があります。これは炎症がある部位への刺激によるもので、処置によって引き起こされた傷ではありません。継続的なメンテナンスにより、出血は改善していく傾向があります。

パウダーによる一時的な刺激感

エアフローのパウダーが粘膜に触れることで、一時的に軽いしみる感覚や刺激感を覚える方がいます。通常は処置後すぐに治まりますが、敏感な方はスタッフにお申し出ください。

口腔内の状況によっては実施できない場合があります

次の場合、GBTの実施困難または適応外となることがあります。
事前の問診・診査にて確認いたします。

  • 呼吸器系疾患(喘息・慢性閉塞性肺疾患など)をお持ちの方
  • エリスリトールアレルギーのある方
  • 口腔内に急性炎症がある方
  • 重度の歯周病で外科処置が必要と診断された場合

他・ご注意

GBTは歯周外科治療の代替ではありません

GBTは予防処置および非外科的な歯周病管理を目的としており、重度の歯周病や骨吸収が進んだ症例には、歯周外科治療が別途必要になる場合があります。

セルフケアとの併用が不可欠となります

GBTはプロフェッショナルケアとして非常に有効ですが、毎日のセルフケア(ブラッシング・フロス・歯間ブラシ等)との併用が前提です。セルフケアが不十分な場合、バイオフィルムの再形成が早まり、GBTの効果が十分に発揮されないことがあります。

定期的な継続が必要です

GBTは単回の処置で永続的な効果をもたらすものではありません。バイオフィルムは処置後から再形成が始まるため、患者さまの口腔内リスクに応じた定期的なメンテナンス(目安:3〜6か月ごと)の継続が必要です。

処置内容・料金・適応の有無など、疑問点はお気軽にお尋ねください。

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